【リザルト】【小説風】『甦る記憶と流れる涙』

リザルト 小説風 うちよそ
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:820 hit

最高ランク : 2 , 更新:


//px02.nosv.org?src=http%3A%2F%2Fimg.u.nosv.org%2Fuploader%2Ffiles%2F1%2Fe%2F3%2F1e311bbd7b94fb4d8e9cbd8a1b6fb0ff.png&w=1200&h=&ext=1&zc=







青空が綺麗に広がっている朝、桔梗のような美しい髪が涼しげな風に誘われるようになびいていた。

「軍団長さん、おはようございます」

私の名前は桔梗。
菫軍の副軍団長という職についている。

目の前にいるこの方は菫軍軍団長のヴァイオレットさん。
可愛らしいもふもふの耳と尻尾を持つヴァイオレットさんは私にとってとても頼れる上司であり、大切なお友達。

そんな軍団長が私の方へ振り向き、私に微笑みながら「おはようございます」と挨拶を返してくれた。

「軍団長さん、今日の予定はこんな感じになっています」

私の仕事は軍団長のスケジュール管理など、秘書のような役目をしている。

スケジュール表を軍団長へ手渡すと可愛らしいお顔がシュワッと眉間にシワを寄せて「今日はなんか忙しくないですか?」嫌そうなお顔をする軍団長。

私は微笑みながら「昨日居眠りした軍団長がそうさせたんですよ♪」そう伝えると軍団長は「分かりました、ちゃんとやります」と諦めぎみで呟いた。

菫軍は治療をメインとした軍で、戦闘で負傷した者を治療する。
そのため毎日仕事をしなければならない。
医療に休みは無いのかも知れない。

そんな軍に休みをあげられるよう、日々スケジュール管理などを徹底的にやっている。

軍団長には申し訳ないほどの書類仕事があるわけで、そのお手伝いをするというのは、私にとって日々の恩返しそのものだと思っている。

「桔梗、この内容なんですが…」

困ったようすの軍団長、そんな貴方のサポートをするのも私の仕事。

「ここですね、…あら?これって、軍団長さんがさっき読んでいたやつに書いてありましたよ。読み返してみてください。きっとあると思いますよ」

「あっ」

と言うと真剣に仕事へ向き合う姿は可愛らしい見た目とは違い、凛としたかっこよさがそこにはあった。
でも天然な所は変わらず可愛いかった。

私の仕事は患者のカルテなどの管理もしている。


カルテ。
何度見ても辛く悲しい気持ちと共に、嬉しい気持ちが出るもの。

真っ白なカルテには病状は辛く悲しいものでしかない。

でも日を追うにつれて病状が軽くなり、元気になる過程を見ると嬉しくなる。

でも、最近おかしいことがある。

菫軍に入った頃には感じなかった気持ちというか、想いがだんだんと大きくなっている気がする。

なぜかは分からないけど、カルテや元気になった軍員達を見ると嬉しい気持ちと共に、''懐かしい''そう思うことが増えた。

戦闘中の治療をする時は特に胸の奥が締め付けられるような感覚が現れる。

わからない。

全てはじめてのはずなのに、なんで''懐かしい''そう思うのだろう。

そんなことを考えていたら休憩時間が来ていた。

休憩時間は軍団長の元へ行く。


「休憩時間ですよ」

私が声をかけるとびっくりした表情を浮かべる軍団長。

「休憩時間でしたか…」

仕事に集中しすぎて時間を確認していなかったみたいだった。

「お茶にしましょ」

そう伝えると軍団長は集中力が切れたらしく

「お茶。桔梗さんお願いします」

っと、書類に釘付けだった瞳を私に向けて言った。

コーヒーを入れ、二人で休憩することに

仕事の話をするのではなく、たわいもない話をしていた。

「ヴィオラちゃん」

私は普段のようにヴィオラちゃんの名前を呼んだとき、脳裏に何かの記憶が甦ってきた。

「桔梗さん?」

突然止まった私を心配している様子のヴィオラちゃんの声さえも聞こえないくらいの記憶が次々と甦ってくる。

「これは…」


あぁ、なんて悲しい記憶。
この人は…誰?

「………誰……」

軍員……さん?
違う、これは……天使?

……二十二ノ……不滅…?

なにそれ…私知らな……




「…知ってる」





「桔梗さん?どうしたんですか!」

私を心配して駆け寄ってくれたヴィオラちゃん。
そんなヴィオラちゃんを見て

「どうして忘れてたのかな」

そう呟き
私はヴィオラちゃんを抱き締めた。

「きっ、桔梗さん!?」

驚くヴィオラちゃん。

「ヴィオラちゃん…。ヴィオラ…。ごめんなさい…ごめんなさい…私…私…!」

「桔梗さん?なんで謝るんですか?」

ヴィオラ…ごめんなさい。

「私……あのとき、何も、何も出来なかった。私、知ってたのに。それでも許せなかった…」

涙で震えている私の声、それでも伝えたい。

「なんの話をして…」

「魔族だからって…!ヴィオラは…。あのときのヴィオラは、確かに天使ヴィオラだった!」

そう私が言うとヴィオラちゃんの動きが止まった。

「天使…」

小さく呟いた。

「私は二十二ノ不滅、それなのに…ヴィオラ、ごめんなさい」

謝る私にヴィオラちゃんはそっと抱き抱き締め返して

「貴方は悪くない。だから泣き止んでください。ミラさん」

なんで、なんで知ってるの。





//px01.nosv.org?src=http%3A%2F%2Fimg.u.nosv.org%2Fuploader%2Ffiles%2F0%2F6%2F6%2F0666c7804099aff55b23d866df646695.jpg&w=1200&h=&ext=1&zc=






ヴィオラちゃんの顔をみるとヴィオラちゃんの頬に一筋の涙が流れていた。

「桔梗さん、やっぱり君がミラさんの転生者だったんですね」

まるで元々知っていたかのように言った。

「どうして…」

私は問いかけた。

「僕は記憶が元々あったので。君が菫軍に来たときからなんとなく感じていたんです」

うるんだ瞳で微笑む姿はあのときのヴィオラさんそのものに見えた。

私は立ち上がり、ヴィオラちゃんの頬に手を当て

「本当に、ヴィオラなの」

そう伝えると
ヴィオラちゃんは笑顔で

「そうですよ。魔族フルフルであり、天使ヴィオラです」

私は泣いた。
泣いてる私をヴィオラちゃんは優しく抱き締めてくれた。

ヴィオラちゃんの胸の中でただひたすらに泣いた。

甦ってきた記憶。
それは私の前世の記憶。

私の前世は、二十二ノ不滅愛の天使ミラということ。

ミラの魂が私の中にあるということ。

今までモヤモヤしていたものが全て晴れていくよう。

休憩時間なんてとっくに過ぎていた。
そんなことなんて考えられないくらいにただ泣いていた。

私は泣きつかれてそのまま寝てしまったみたいだった。

目を開けるといつもの白い天井……?

手が暖かい…。


手元を見るとそこには、私の手を握りながら寝ているヴィオラちゃんが居た。


「ヴィオラちゃん、ありがとう」

ヴィオラちゃんの目元が赤い。
それなのにこんなに可愛らしい寝顔なんてずるいよ。

ミラさん、聞こえてますか。
ミラさんの願い、ちゃんと届いていますよ。
ヴィオラさんは…いいえ。
ヴィオラちゃんは笑顔です。

だからどうか安心してください。



そう心に、魂に伝えた。


そうしているとヴィオラちゃんが目を
覚ました。

「ふふっ♪おはようヴィオラちゃん」

そう笑顔で挨拶をするとヴィオラちゃんもほっとしたような笑顔で

「おはようございます、桔梗さん」

そう言ってくれた。

私達は前世の記憶を持っている。
だけどそれは前世であり、今の人生は今の自分自身だということ。

これからは前世の記憶と共に生きていく。
でもそれは前世の自分ではなく、今の自分でこの人生を歩むということ。

過去の過ちも全て受け入れて今を生きる。

それが私の今すること。

そしてこれからの人生を後悔のない人生にすること。





終わり








余談

挿し絵/月兎さん作


月兎ちゃんの挿し絵神じゃないですか?
いや、神ですよね!!
こんなにも内容に合った挿し絵…泣きますよ…。

挿し絵描いてくれてありがとう!!!



お借りしたよその子
・ヴァイオレットちゃん(月兎さん宅)




桔梗の裏設定をようやく出せました!!
桔梗はセイクリの二十二ノ不滅愛の天使・ミラの転生者でした!!
だから医療の腕が凄いんですね!



黒髪の白雪姫❄️🍎


投稿を違反報告 / ブロック








イラスト デジタル アナログ 原神 wrwrd うちの子 宝石の国 創作 実況者 rkgk