【文スト夢】『菩提樹下の逍遥』の書評を自分で書こう !!

夢主 文スト
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自作に対して、自分で書評を書きたくなったので書きました。今回紹介するのは文ストの夢小説『菩提樹下の逍遥』です。

「難しい言葉を並べたら上手くかけるんじゃないか病」にかかっていた頃の文章を推敲して、どうにか完結させた思い入れのある小説です。個人的に好きな部分と、あらすじを併せて紹介いたします。

【簡単なあらすじ】

時間軸は、ミミックによる襲撃があった『黒の時代』。

夢主である16歳の少年・足立一之は、ポートマフィアの先代首領を祖父に持つ、いわくつきの出自の男の子です。

軍医の家系に養子としてひきとられてからは、軍警の剣客となるべくして育てられてきたため一般的な倫理観を持っていませんが、彼自身は幸せを感じて育ちました。(愛のあるゾルディック家みたいな家庭)

しかし、先代首領に大切な人を奪われた恨みを晴らすために、ポートマフィアの諜報部隊は、孫である足立を誘拐してしまいます。

12歳の足立が最後に見た家の光景は、皆殺しにされた親兄弟と、尾崎紅葉の夜叉によって刀を突きさされた母親の姿でした。

彼はマフィアに家族を奪われるトラウマと、何もできなかった政府に対する不信感を持っています。どちらの組織に属していたことがありながらも、マフィアも国も信用していません。

そんな足立にも、心を許せる仲間が数名いました。同世代の構成員・芥川龍之介、師匠である中原中也、太宰と織田作。誰よりも信頼を寄せていたのは、【坂口安吾】でした。

異能特務課のエージェントであることを早くから見抜いていた足立は、安吾を「信じても良いかもしれない正義の人」だと認識します。

ところが安吾は特務課のエージェントとして、ミミックと織田作を敵対させるため、子供たちを皆殺しにする計画に加担していました。(原作だと、子供たちの居場所を漏洩するのは森鴎外)
足立は子供たちの居場所を漏洩 しないよう交渉しましたが、相手からの返礼は、至近距離で腹に埋め込まれた、3発の銃弾でした。

安吾に裏切られたショックとともに昏倒し、そのまま死んでしまおうと考えていた足立に対して、病院に忍び込んでいた京極夏彦は『猿(サトリ)』を落します。他者の記憶を見せる精神操作異能によって、子供たちが殺される直前の記憶を何度も見せられてしまいました。

ほんの少しだけ背中を押されるだけで怨念を爆発させた足立は、マフィアと軍警を抗争状態にさせ、両組織の抗争に手が出せない異能特務課に対してバッシングを集中させるという国を揺るがすクーデターに乗り出します。

京極はなぜ足立に関わりをもったのか?→【007の失踪】へ

『007の失踪』
足立一之シリーズの本編その3です。

【見どころ1】中也との不仲が熱い

中也と足立は師弟関係にあり、はじめのころの関係は良好でした。中也は足立を大変可愛がっていましたが、足立を信用する最大の理由は、『真っ当な人間である』と認識していた点にありました。

それが一気に崩れる事件が発生します。

中也17歳、足立15歳の時期、足立は初めて人を殺す任務を受けました。「花嫁に成り代わり、式場で敵グループの長を殺す」という任務だったのですが、足立は「敵グループの関係者が出席しているなら、出席者を皆殺しにしないと問題は解決しない」と判断し、出席していた130人以上の人を殺しました。

この時、殺人に対して全く罪悪感を抱いていない足立を忌避した中也は、足立を突き放してしまいます。(愛情があるゾルディック家で育っているので、人殺しが倫理に反することだと思わないような育てられ方をした。)

ここから、『師匠に愛想を尽かされない優等生を演じる足立』と『弟子の本性を見抜いて直そうとする中也』の対立関係ができあがってしまいました。

更に、「命令があったら、罪のない子供が相手でも殺しますか」という足立の問いかけに対し、中也は「命令であれば誰が相手でも殺す」と答えてしまいます。

組織に対する忠誠心や、プライベートを先行させてはいけないという自負心からの発言でしたが、中也の一言は足立のトラウマを刺激します。

政府の命令で、子供たちを生贄にした坂口安吾。鴎外の命令で家族を皆殺しにした諜報員たち。この二つが中也と重なってしまい、足立はこれまでの信頼を完全に反転させ、中也に対して憎悪の念を抱くようになります。


それからもかなーりギクシャクしていた二人ですが、その二人が理解しあうのが『折たく千代の記』です。

中也さんは本当に出自だけで人を判断するのか? 命令だからと言って簡単に人を殺せるのか? 足立はどうして中也にプライベートを悟られたくないのか? そういった諸々を理解しあうお話です。

【見どころ2】芥川が意外にも仲間思いだった件

この物語が始まる時点で、【足立と芥川は友人ではありません。】安吾に撃たれた足立が入院することになっても、芥川は太宰の勧めがあるまで見舞いに行かないほどでした。

足立の方も、芥川が自分とかかわることはないだろうと考えていたため、クーデターを立案している段階では、芥川の対策をしていませんでした。

結論から言うと、【芥川が思っていたよりも仲間思いだった】という理由でクーデターは失敗します。

前提として、自分がかかわった人間が次々に無残な殺され方をした足立は、「酷い殺され方をする前に、自分で安楽死させたい」という欲求を抱えています。

『大事な人』認定を受けた芥川は、足立に殺されかけますが……

逆に「そんなことで僕が死ぬと思っていたか」と激怒し、足立をボコボコにしてしまいましたとさ。強い。

【見どころ3】足立がマフィアとして生きると決めた理由

クーデターによって特務課や軍警は甚大な被害をこうむりましたが、マフィア側の被害者はゼロでした。親の仇であるはずのマフィアを、なぜ憎まなかったのか。

足立の中で出た結論は、「正義のために人を殺す集団ではなく、悪人として人を殺す集団だから」でした。

先述のとおり、足立はマフィアの犯罪だけではなく、国の正義の被害者でもある人物です。

様々な大義を掲げて「殺しは悪いことではない」と刷り込んだ実家や、子供に殺人の方法を教える士官学校。マフィアとかかわることを恐れて、足立を助けようとしない軍警。それどころか、目的のために罪のない子供を間接的に殺害した異能特務課。

こうした『公的機関』の歪みを見てきた足立にとって、犯罪を犯罪だと認識しているマフィアの方が健全に見えてしまいました。その結果、足立は『人殺しを罪だと自覚するため』にマフィアの暗殺者になることを決意します。

あのまま軍警の一員になっていたら、芥川や中也といった親しい仲間を、「死んで当然の人間」だと思い込んでいたかもしれない。これが足立にとっては辛いことでした。

織田作の言う「良い人間」になるためには、足立はマフィアに残るしかなかったのです。太宰とは正反対なところがミソ。

【見どころ4】鴎外がえぐい

物語ではクーデターを起こした足立ですが、もしもクーデターを起こさなければどうなっていたでしょうか。実は、【異能特務課や軍警によって救出されていた】可能性が高いです。

あと少しで、安吾は足立を奪還するための作戦をたてて、特務課総出で乗り込もうとしていました。軍警も同様に、誘拐された足立を救う手立てをたて、猟犬が乗り込もうとしているところだったのです。

あえて足立にクーデターを起こさせるために、精神操作の異能者である京極の侵入を許したのだとしたら? 

(余談)

もしも猟犬に救われていたら、足立は立原の代わりに猟犬の一員として働いています。
その未来があったとすれば、人殺しを何とも思っていない、マフィアにも特務課にも恨みがあるヤベエ警察になっていたかもしれません。

【見どころ5】尾崎紅葉がぐう聖。

ぐう聖です。ラストでぐう聖であることが明らかになります。ここまで書けて良かった。

閲覧ありがとうございました! 自分の作品の書評は長くなりがちだけど楽しい!!

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これは最近描いた厚塗り足立

アバンギャルド・マボ


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